1.12月の雨の日
作詞:松本隆
作曲:大滝詠一
水の匂いが 眩しい通りに
雨に憑れた ひとが行き交う
雨あがりの街に 風がふいに立る
流れる人波を ぼくはみている
ぼくはみている
雨に病んだ 飢いたこころと
凍てついた空を 街翳が縁どる
雨あがりの街に 風がふいに立る
流れる人波を ぼくはみている
ぼくはみている
2.春らんまん
作詞:松本隆
作曲:大瀧詠一
向ふを行くのは お春じゃなゐか
薄情な眼つきで 知らぬ顔
沈丁花を匂はせて
おや、まあ
ひとあめくるね
はるさめもやふのお春じゃなゐか
紺のぼかしの 蛇の目傘に
花梔子の雨が けぶる
おや、まあ
これからあひびきかゐ
婀娜な黒髪 お春じゃなゐか
淡くれなゐに 頬紅そめりゃあ
巴旦杏もいろなしさ
おや、まあ
春らんまんだね
暖房装置の冬が往くと
冷房装置の夏が来た
ほんに春は来やしなゐ
おや、まあ
また待ちぼうけかゐ
3.空いろのくれよん
作詞:松本隆
作曲:大瀧詠一
空いろのクレヨンできみを描いたんです
そっぽを向いた真昼の遊園地で
花模様のドレスがとても良く似合うんで
ぼくのポケットにはいりきらないんです
ぼくは
きっと風邪をひいてるんです
きみの眸のなかで雲が急に雪崩れると
おもて通りはブランコのように揺れるんです
画用紙のなかのきみはとても綺麗すぎるんで
透き徹った冬に帰ってしまうんです
ぼくは
きっと風邪をひいてるんです
4.ももんが(暗闇坂むささび変化)
5.かくれんぼ
作詞:松本隆
作曲:大瀧詠一
曇った空の浅い夕暮れ
雲を浮かべて烟草をふかす風はすっかり
凪いでしまった私は熱いお茶を飲んでる
「きみが欲しい」なんて言ってみて
うらでそおっと滑り落とす
吐息のような嘘が一片
私は熱いお茶を飲んでる
雪融けなんぞはなかったのです
歪にゆがんだ珈琲茶碗に余った
瞬間が悸いている
私は熱いお茶を飲んでる
もう何も喋らないで
そう黙ってくれればいいんだ
君の言葉が聞こえないから
雪景色は外なのです
なかでふたりは隠れん坊
絵に描いたような顔が笑う
私は熱いお茶を飲んでる
6.いらいら
7.しんしんしん
8.抱きしめたい
作詞:松本隆
作曲:大瀧詠一
淡い光が吹きこむ窓を
遠い田舎が飛んでゆきます
ぼくは烟草をくわえ
一服すると
きみのことを考えるんです
黝い煙を吐き出しながら
白い曠地を切り裂いて
冬の機関車は
走ります
きみの街はもうすぐなんです
ゴオ ゴオ ゴオ と
雪の銀河をぼくは
まっしぐらなんです
飴いろの雲に着いたら
浮かぶ驛の沈むホームに
とても素速く
飛び降りるので
きみを燃やしてしまうかもしれません
9.朝
10.はいからはくち
作詞:松本隆
作曲:大瀧詠一
はいから
はいから
はいから
はいから
ぼくははいから血塗れの空を
玩ぶきみと こかこおらを飲んでいる
きみははいから裳裾をからげ
賑やかな都市を飾る 女郎花
ぼくは
ぼくははいからはくち
はいから
はいから
はいから
はいから
ぼくははいから血を吐きながら
きみののおにただ夕まぐれ
きみははいから唐紅の
蜜柑色したひっぴーみたい
ぼくは
ぼくははいからはくち
はいから
はいから
はいから
ら
ら
11.春よ来い(アンコール)
作詞:松本隆
作曲:大滝詠一
お正月と云えば
炬燵を囲んで
お雑煮を食べながら
歌留多を していたものです
今年は一人ぼっちで
年を迎えたんです
除夜の鐘が寂しすぎ
耳を押えてました
家さえ飛び出なければ
今頃 皆 揃って
お芽出度うが云えたのに
何処で間違えたのか
だけど全てを賭けた
今は唯やってみよう
春が訪れるまで
今は遠くないはず
家さえ飛び出なければ
今頃 皆 揃って
お芽出度うが云えたのに
何処で間違えたのか
だけど全てを賭けた
今は唯やってみよう
春が訪れるまで
今は遠くないはず
春よ来い
春よ来い
春よ来い
春よ来い
春よ来い
春よ来い
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